SLAVE−地下牢の姫君−第4話



城に潜入したシルヴィアは、ティアラの姿を求めて城内を彷徨っていた。
時折現れる警備兵の目を盗みながら部屋を一つ一つ探る。

シルヴィア: 「・・・・・・・・・ここにもいない」

いくつか目の扉を開けて中を覗き込んだシルヴィアは、苦々しい口調で呟いた。
こうしている間にもティアラの身に何かが起こっているのではないかと思うだけで、シルヴィアの心が潰れるように苦しくなる。

シルヴィア: 「ティアラ姫・・・・・いったい何処にいらっしゃるのですか・・・・・!?」

思わず問いかけるような独り言を言ったシルヴィアは、何かの気配を感じて振り向いた。
そこには一つの影が立っている。

シルヴィア: (しまった!・・・見つかったか!)

シルヴィアは影を見るなり体制を整えて、腰に下げた剣を抜いて構えた。
だが、彼女にできたのは、そこまでだった。

シルヴィア: 「!?」

目の前の影が何者であるか気づいた瞬間、シルヴィアの全身は凍り付いたかのように硬直する。
目の前に立つ人物。それは漆黒の魔導師ゲルフだった。

ゲルフ: 「単身で乗り込んでくるとは、さすがは王族親衛隊の戦士ですな。シルヴィア殿」

シルヴィア: 「ゲ・・・ゲルフ・・・・・・・・」

その名を口にする事すら躊躇われるような口調で、シルヴィアはその名を呼んだ。
目の前に立つ魔導師は、たった一人で王族親衛隊の猛者を倒した化物。その一部始終はシルヴィアの脳裏に焼き付いていた。

ゲルフ: 「私の名前を憶えていただき、光栄ですな」

シルヴィア: 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

余裕のあるゲルフとは対照的に、あれだけ気丈だったシルヴィアは微かに身体を震わせている。

シルヴィア: (ま・・・まさかコイツがいきなり出てくるなんて・・・・・)

シルヴィアにとってはゲルフと遭遇するというのは計算外だった。
ゲルフはグヴィア帝国の中でもかなりの権力者。本来こんな所を見回りしている人物ではない。
衛兵との小競り合いは覚悟していたが、いきなり強力な魔導師が出てくるとは、思ってもいなかった事。

シルヴィア: 「なんで・・・・・・・・!?」

シルヴィアが疑問の言葉を口にした時、彼女の周りを影が走り抜け、ゲルフの周りにまるで仕えるように並んだ。

シルヴィア: 「つ、使い魔か・・・・・」

シルヴィアはその影を見て、自分が今まで監視されていた事に気づく。

ゲルフ: 「さてと・・・どうしますかな?シルヴィア殿。私と一戦交えますか?それとも大人しく投降しますかな?」

シルヴィア: 「だれが貴様などに!・・・姫様をどうした!」

ゲルフ: 「ふっふっふっ・・・ティアラ姫の事が知りたいのなら、見事私を倒してみる事ですな」

そう言うとゲルフは、口の奥で呪文を唱え始めた。
シルヴィアの身体に一瞬緊張が走るが、呪文を唱えている最中の魔導師は無防備。この機を逃すとシルヴィアに勝ち目はない。

シルヴィア: 「ゲルフ!覚悟ぉぉぉぉぉっ!!」

剣を振りかざして疾風のごとく駆け寄ってくるシルヴィアに目をくれることなく、ゲルフは呪文を唱え続ける。

ゲルフ: 「 ∬∽∇∂∠∀∧∃∂≒∵Å∫」

シルヴィアの剣先がゲルフの喉元を捕らえようとした瞬間、ゲルフの呪文の詠唱が終わった。

シルヴィア: 「なにっ!?」

シルヴィアの口から驚愕の声が漏れる。シルヴィアが突き出した剣先は、ゲルフの喉元近くでピタリと止まり、ピクリとも動かない。

ゲルフ:「どうしましたかな?シルヴィア殿」

余裕の笑みを見せるゲルフに対して、シルヴィアは全く動きがとれなかった。いや、動くことができなかったのだ。

シルヴィア: 「ば・・・馬鹿な・・・・・か、身体が・・・う、動かない・・・・・」

シルヴィアの身体は、まるで凍り付いたかのようにピクリとも動かない。動揺するシルヴィアをよそに、ゲルフはゆっくりと剣先を避けて彼女へと近づいていった。

ゲルフ: 「ふっふっふっ・・・どうします?まだ私と戦いますかな?」

シルヴィア: 「くっ・・・・・くそぉ・・・・・・・・」

悔しさに思わず唇を噛みしめるシルヴィア。
姫を助けるために潜入したのに、何もできないままこんなにも簡単に捕まってしまうとは。
自分の無力さと不甲斐なさに、思わず涙が出そうになる。

ゲルフ: 「もう少し楽しませて貰えると思ったのですが・・・残念ですよ」

ゲルフはそう言うと、何やら呪文を唱え始めた。

シルヴィア: 「何を・・・・・・うっ・・・・うぅぅ・・・・・」

ゲルフが呪文を唱え終えると同時に、シルヴィアの意識は混濁する。

シルヴィア: 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

・・・・・・・ドサッ!

シルヴィアが意識を失うと同時に、その身体はまるで糸の切れた人形のように床に倒れ込んだ。

ゲルフ: 「・・・・・・このまま捕まえてしまっても、面白くないな」

足下に倒れ込んだシルヴィアを見つめながら、ゲルフはポツリと呟く。

ゲルフ: 「シルヴィア殿には、もう少し楽しませて貰わないと・・・・・」

そう言ったゲルフの口元に、醜悪な笑みが浮かんだ。
それと同時に影達がシルヴィアの元に集まり、グッタリとしている彼女の身体を担ぎ上げる。

ゲルフ: 「シルヴィア殿を例の場所にご案内しろ。丁重にな・・・・・」

ゲルフの口からそう命令が下されると、影達はシルヴィアを運び去っていく。
長く伸びる通路の奥。闇の中へとシルヴィアは消えていった。

ゲルフ: 「・・・・・さてと、ティアラ姫の方はどうなっておりますかな」

黒いローブを翻したゲルフは、ティアラが監禁されている地下牢へと向かって歩き出す。

その頃ティアラは、荒い吐息を吐きながら、押し寄せてくる快感に流され続けていた。

ティアラ: 「・・・・・・・・はぁ・・・・・はぁ・・・はぁ・・・あっ・・・ああぁぁぁん」

媚薬の効果のせいか、ティアラの身体は何度絶頂に達しても、次の絶頂を求めて疼きだす。
ティアラが溢れさせた愛液は、受け皿を通じて壺の中に溜まり、すでに一つの壺をいっぱいにしそうな量になっていた。

ティアラ: (も・・・・・もうダメ・・・・・私・・・・・・・・)

ティアラは徐々に薄れゆく意識の端で、重い扉が開く音を耳にする。
それは、ティアラを次なる淫虐地獄へと誘う音だった。

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