SLAVE−地下牢の姫君−第6話



シルヴィア:「こ・・・ここは・・・・・」

シルヴィアが辿り着いたのは、薄暗い汚れた屋内闘技場だった。
丸い戦いの舞台には所々に黒ずんだシミがつき、その周りを囲んでいる客席には城の衛士や傭兵が、戦いが始まるのを今や遅しと待っている。

シルヴィア:「私に・・・ここで戦えというのか・・・・・?」

シルヴィアは思わず疑念を言葉にした。

「そうさ。これから、お前はここで戦うのさ」

シルヴィア:「?!」

背後からいきなりかけられた言葉に、シルヴィアは身構える。
と、同時に驚きを感じていた。

シルヴィア:(まるで気配を感じさせずに、私の背後に・・・・・)

仮にもセルティア王国王族親衛隊の彼女に、まるで気づかれる事なく背後に忍び寄った人物。
その人物は炎のような赤い髪をなびかせた、鋭い目つきの女性だった。
身にまとっているのは鎧ではなく、身体にぴったりとした革製の黒いボンデージ服。
手にした武器は2メートルを超える程の長い鞭。
その女性は真っ赤なルージュが引かれた唇をつり上げ、サディスティックな笑みを浮かべ、シルヴィアの事を見つめていた。

「今回の獲物は、なかなか威勢がよさそうだね。顔立ちもいいし・・・楽しめそうだ」

そう言った女性は、手の中で鞭を2〜3回しごく。

シルヴィア:「・・・・・・・・・何者?!」

シルヴィアの鋭い言葉も涼しい顔で受け流し、女性は髪を掻き上げると、赤い唇を動かす。

ミレーネ:「私の名はミレーネ。この国に雇われた傭兵さ。でも今は、拷問係専門だけどね」

シルヴィア:「拷問係・・・・・」

確かに、この女性は、戦場で戦うよりも薄暗い地下室が似合いそうな感じだった。
妖しい美しさを持ち、それでいて他人を一瞬で凍てつかせる事ができそうな残忍な笑み。
堕天使という存在がいるとするならば、このような姿をしているのではなかろうかと思わせる女性。
それがミレーネだった。

シルヴィア:「私を・・・どうするつもり?」

普通の人間だったら、ミレーネの残忍な笑みの前に思わず言葉を失うところだが、シルヴィアは、ハッキリとした口調で言い放つ。
ここで相手の勢いに飲まれては、勝てない。
その気丈な態度が、ミレーネのサディスティックな心を、ますますそそらせた。

ミレーネ:「さっきも言っただろう。お前をここで戦わせるのさ」

シルヴィア:「要するに、ここで私をなぶり殺しにしようって訳ね」

趣味の悪い。とでも言いたそうな、半ば呆れた口調で言う。

ミレーネ:「まあ、そういう事ね」

ミレーネは、シルヴィアの言葉にあっさりと返した。

シルヴィア:(だから・・・ゲルフは、私を生かしておいたのか。見せしめにする為に・・・・・。)

屈辱的な死が近づいている事を知り、シルヴィアは唇を噛みしめる。
そんなシルヴィアに、ミレーネがゆっくりと近づいた。

ミレーネ:「でも、あなたが勝ち続ける事ができれば、助かる可能性もあるんだよ。あなたも、そして・・・ティアラ姫様もね」

シルヴィア:「?!」

何気なくミレーネが言った言葉が、シルヴィアの意志を強くさせる。

シルヴィア:(姫様を助ける!それが私の使命!)

その思いがシルヴィアの闘争心に火をつけた。

シルヴィア:「私は・・・絶対に負けない!」

ミレーネ:「ふふふっ。なかなかイイ表情になったな。それじゃあ早速、舞台に上がって貰おうか」

シルヴィア:「・・・・・わかった」

彼女はミレーネに背を向けると、凛とした表情で戦いの舞台へと上る。
歓声も上がらない、不気味なほど静かな舞台。
そして注がれる視線は、どこか異様な感じを出していた。

シルヴィア:(なんなの?この異様な感じは・・・・・。)

それは、これから戦いが始まるという雰囲気ではない。
まるで、周りで見ている者達が、一斉にシルヴィアへと襲いかかってくるような・・・そんな欲望が渦巻いている感じ。
シルヴィアは今、獣の檻に放り込まれたような心境になっていた。

シルヴィア:(どうやら・・・ただ私を戦わせるという訳じゃ・・・なさそうね。)

そのイヤな予感は、ほどなく当たる事になる。
シルヴィアの入ってきた入り口の反対側から、彼女の倍はあろうかという屈強な体格の男達が入ってきた。
その数は6人。
裸にピチッとしたパンツをはいているだけの、これから戦うとは到底思えない格好だ。
おまけに、その股間は大きく膨らみ、先端がパンツからはみ出している。
モノの大きさは、女性の腕くらいは楽にあった。

シルヴィア:「・・・あれが・・・私が戦う相手な訳?」

シルヴィアは振り返りざまにミレーネに言葉を投げかけたが、そこにミレーネの姿はない。

シルヴィア:「・・・・・えっ?」

慌ててミレーネの姿を探すと、彼女は男達の前に居た。
相変わらずのサディスティックな笑みを浮かべて。

シルヴィア:(あのミレーネという女・・・あなどれないわ。私に気配を感じさせずに移動するなんて。)

ミレーネ:「この男共は、あなたの相手じゃない。・・・いや、後で違う意味で相手になって貰う事になるかもしれないけどな」

そう言うとミレーネは、唇の端をつり上げて笑った。
美しいが故に、見た者を凍てつかせるような、まさに悪魔の笑みだ。

シルヴィア:「じゃあ、私と戦う相手は誰なのよ」

ミレーネ:「くっくっくっ・・・さっきから、あなたの前にいるだろ?あなたの相手は」

シルヴィア:「まさか・・・あなたが・・・私の戦う相手・・・・・」

ミレーネ:「そうさ。この私が、あなたの相手さ」

その言葉に、シルヴィアは少し狼狽えた。
気配を消して自分の背後をとったミレーネが相手とあっては、仕方のない事かもしれない。

シルヴィア:(ミレーネ・・・この女に・・・私は勝てるの?)

思わず自分に問いかける。
だが、シルヴィアに負けは許されない。

シルヴィア:(いや・・・勝たねば。姫様を助ける為にも・・・絶対に勝つ!)

決意を新たに気を引き締めると、腰の剣をスラリと抜き構える。
まるで隙のない、完璧な構えだ。

シルヴィア:「さあ、早く始めようか!」

張りのある声で言い放つシルヴィア。
その声は静かな闘技場に響き渡る。
だが、相手であるミレーネは動こうとしない。
代わりに笑みを浮かべた唇が静かに動いた。

ミレーネ:「そう、慌てるんじゃないよ。まずは戦いのルールを説明しないとな」

シルヴィア:「・・・・・ルール?」

ミレーネ:「そうさ。これから始まる戦いのルールを説明してやるよ。・・・まず、勝敗の決め方だが、相手を戦闘不能にするか殺す事で勝ちとする」

ミレーネ:「あなたが勝てば、次のステップに進める」

シルヴィア:「私が何度勝てば、姫様を助けてくれる?」

シルヴィアの問いに、ミレーネは意味ありげに笑った。

ミレーネ:「5試合勝ち抜けたら、あなたもティアラ姫も解放してあげるよ」

シルヴィア:「5試合か・・・・・」

あながち無理な数字でない事に、シルヴィアは少し安堵する。
だが、ミレーネが次に口にした言葉が、シルヴィアの安堵を打ち砕いた。

ミレーネ:「ただし、あなたが負けた場合には、あなたと姫君には相応の罰を与えてあげる」

シルヴィア:「なっ?!・・・なんで、姫様まで?!」

ミレーネ:「当然の事だろう。あなたが勝てば姫君も解放するんだ。負けたときも一蓮托生さ」

シルヴィア:「くっ・・・・・・・・」

ミレーネの言葉に、思わず唇を噛む。
だが、シルヴィアに選択の余地はない。

シルヴィア:「わ・・わかった・・・」

仕方なしの答えを口にすると、シルヴィアは改めて剣を構えた。

シルヴィア:(この戦い・・・絶対に負けない・・・いや、負けられない!)

シルヴィア:「・・・・・・・さあ!どこからでも、かかって来なさい!」

ミレーネ:「まったく・・・せっかちな奴だ。戦いはまだだよ。まずは、あなたにペナルティを受けて貰わないと」

シルヴィア:「ペナルティ?!・・・なぜ私がペナルティを受けなければいけないの!?」

ミレーネ:「ゲルフ様に負けただろ?そのペナルティだよ」

そう言ったミレーネの傍らに、今まで後ろに控えていた男が歩み寄る。
その男は、手にバケツを持っていた。
バケツは緑色の不気味な液体で満たされている。
そして、一本の巨大な注射器が、液体の中に無造作に突っ込まれていた。

シルヴィア:「な・・・なにをする・・・つもり・・・」

ミレーネ:「くっくっくっ・・・・・浣腸をするんだよ」

シルヴィア:「・・・・・カ・・カンチョウ?」

聞き慣れない言葉に、シルヴィアは眉をひそめる。
ただ、漠然とした不安が彼女に重くのしかかった。
そんなシルヴィアの不安を増長させるかのように、ミレーネはバケツの中の注射器を手に取る。
大きな男が持っていたのでシルヴィアは気づかなかったが、その注射器はかなり大きな物だった。

ミレーネ:「本当は医療に用いられる行為だが、私はこれを拷問に使うのが好きでね」

そう言いながら両手で注射器を玩ぶ。
シリンダーを動かす度に、ガラスとガラスが擦れる嫌な音がした。

ミレーネ:「この注射器を、あなたの尻の穴に突き立てて、薬を流し込むのさ」

シルヴィア:「なっ?!」

シルヴィアの顔が一瞬にして真っ青になる。
この大勢の男達が見ている場所で、巨大な注射器を尻の穴に突き立てられるなど、想像を絶する辱めだった。
だが、辱めの内容は、それだけでは終わらない。

ミレーネ:「薬は腸内の活動を急激に活発にさせる薬でね、排便を促進させる効果があるんだ。どうなるかは・・・わかるだろ?」

シルヴィア:「じょ!?冗談じゃないわ!!」

ミレーネがこれから自分にしようとしている事がわかったシルヴィアは思わず叫んでいた。
女として・・・いや、人間として最大の辱めを、ミレーネはシルヴィアに施そうとしているのだ。

シルヴィア:「そんな辱めを受けるぐらいなら、自らの命を絶つ!」

ミレーネ:「そんな事、できるわけないだろ。何しろ、あなたが大事に思っている姫様が、こっちの手にあるんだからさ」

シルヴィア:「くっ・・・・・・・・・」

ミレ ーネ:「自らの命を絶つのも、ペナルティを拒否するのも、あなたの自由だよ。ただし、その時には、あなたの代わりを姫様にやって貰う事になるけど・・・それでもいいのか?」

シルヴィア:「ひ・・・卑怯者・・・・・」

ミレ ーネ:「くっくっくっ・・・何とでも言えばいいさ」

シルヴィアの言葉を軽く受け流し、ミレーネは彼女の前まで歩み寄ると、注射器の先端を鼻先に突きつける。

シルヴィア:「うっ・・・・・・・・・・」

ミレ ーネ:「さあ、どうするんだい?ペナルティを受けるのか?それとも・・・・・」

シルヴィアの肩が落ち、その口から力無い言葉が漏れた。

シルヴィア:「・・・・・わ・・・わかったわ。ペナルティでも、なんでも受けるから・・・姫様に手を出さないで」

ミレーネ:「ふっふっふっふっふっ・・・・・そうかい、それじゃあ早速こいつをブチ込んでやるから、こっちに尻を向けて四つん這いになりな」

シルヴィア:「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ミレーネの命令に従い、シルヴィアは背を向けると両手を地面につける。

ミレーネ:「そうそう。そうやって素直に従えばいいんだ」

シルヴィア:「くっ・・・・・・・・・」

これから強いられる陵辱と、何もできない悔しさに、シルヴィアは唇を噛みしめた。
そんなシルヴィアの姿を悲しそうな目で見つめている人がいる。

ティアラ:「シルヴィア・・・・・・・・・・」

今にも泣きそうな声で呟いたのは、ティアラ姫だった。
姫は今シルヴィアと同じ闘技場へと連れてこられている。
場所は闘技場の正面。
大勢の観衆で埋め尽くされている客席よりも高い位置にある貴賓室。
だがティアラの格好は、相変わらず全裸の状態で、両手を後ろ手に縛られていた。
当然のようにティアラの後ろにはゲルフの姿がある。

ゲルフ: 「・・・・・なかなか姫様思いの家臣ですな」

その言葉を受けて、ティアラはゲルフを睨み付けた。

ティアラ:「今すぐやめさせなさい!シルヴィアに手を出したら許しません!」

その言葉には王位を次ぐ者独特の迫力がある。
だが、全裸で拘束されていては、その迫力も意味を持たなかった。

ゲルフ: 「ほぉ・・・どう、許さないと言うのですかな?姫様」

ティアラ:「うっ・・・・・・・・・・」

ゲルフの一言で、ティアラは言葉を詰まらせる。
今はティアラも囚われの身。
感情のままに叫んでみたものの、彼女に状況を変える力はない。

ゲルフ: 「まあ、大人しく見ている事ですな。これからが、ショーの始まりですから」

ゲルフの言葉を受けたかのように、闘技場では陵辱ショーが始まった。

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